【 vol.14 】母


20071102お元気でいらしゃいますか。
いつも生き生き創健館をご利用いただきまして、心からお礼申し上げます。

今月は 「佐々木 志穂美」 (ささき しほみ) さんという、すばらしいお母さんを ご紹介させていただきます。

子どもを三人産んで 三人とも障害者。悩み、迷いながらも 手探りで続けた子育てと心の軌跡、わが子たちへの想いを 読ませていただきました。

長男は 生後二か月で脳障害の診断が下りた。翌年授かった次男も 高機能自閉という知的障害のない軽度障害。三男も 知的障害があり重度の自閉症。

二人目、三人目を産んだのは、長男の体験で 障害があっても無くても可愛さに変わりはないと実感したから。

長男は 重度心身障害者施設に通い、次男は 普通学級に入れたが、すぐに教室を飛び出してどこかへ行ってしまう。服装はだらしなく、ものをポロポロ落とす。

中学では 激しいいじめに遭い、夜 家で いじめを思い出しては泣き叫びながら、自分で自分を傷つける自傷行為をする。三男は こだわりが強く、ハンバーグ、フライドチキンなどのファーストフードが全部ダメで、お店の前を通るのもダメ。

最近は ご飯もラップの上に乗せないと食べないと、決まりだらけ。池で泳ぐ、人のものをこわす、小石を食べる。登校時には泣き叫び、電柱や車のボンネットに頭突きをしながら走り、額から血が流れる………。

志穂美さんは、一家で買い物を楽しんでいる よその家族を、とてもうらやましく思ったそうです。その度に 辛いこと悲しいことから守ってもらえた子どもの頃に戻りたい、過去へ戻りたいと思ったそうです。

その志穂美さんも 今は親としての覚悟が決まってきた。この子らには どんな助けが必要なのかなと、いつも考え工夫しているうち、自分がずいぶん変わってきた。

もし三人が普通に生まれたら と、ないものを探して目の前の素敵なものを見逃したら損だと思う。うちの子の成長がスローモーションだから、いろんなものが見えてくる。

普通の家庭でも、初めて 「お母さん」 と呼ばれたらうれしいはず。うちはずいぶん待たされました。だから初めて呼ばれた時は、本当にうれしかった。私は子育てを通じて、幸せに気づく力を与えられた。

若い頃は世間体や見栄で 自分を見失っていた。でも、人から見て立派に見えなくていいと思えるようになって、本当の幸せが実感できるようになった。この子たちも 「自分はこの人生でよかった」 というところまで導いてやりたい………。

読み終えて感じたのは、同情ではなく感動でした。神様は、志穂美さんを選んで 三人の子どもを授けたように思います。志穂美さんは、普通の親が見ることのできないものを見て、本当の幸せを教えられた。この先長い道程、志穂美さんご一家に声援を送りたいと思います。

………あたたかいものがうれしい季節になりました。お風邪など召されませんように ご自愛下さいませ。また来月、お目にかからせていただきます。

(参考文献…致知)

中谷