【 vol.30 】私は日本のここが好き


暦の上では春到来。現実はまだまだ寒い、ですね。
いつもご愛顧いただきまして、心から感謝申し上げます。

20090201_1皆様「日本は近隣諸国からこんなに嫌われているのか」と思われたことはありませんか。

二〇〇四年中国でのアジアカップ時の反日デモ。翌年の北京・上海・天津での反日デモや暴動。韓国の反日感情………。それらを新聞テレビで見聞きするたび私は悲しく思っていました。

ところが皆様「私は日本のここが好き」(出窓社・加藤恭子編)に出合って、心のしこりがずいぶんほぐれました。

日本への滞在期間は数ヵ月から数十年とまちまちですが、中国・韓国・台湾・アメリカ………等、世界32カ国54名の外国人にインタビューして聞きだした「外の眼」から見た日本。

日本へ一年滞在した後何回か来日している、アメリカのS夫妻。「私たち日本へ来ると全体が大きな家族のような温かさを感じるわ」と言います。

S夫妻は雨の日に、高いビルの上から渋谷などの大きなスクランブル交差点を見るのが大好き。理由は「日本のことが一番分かるから」。「ほら、あちこちの方向へ動く傘をよく見てごらん。ぶつかったり押し合ったりしないでしょ。まるでバレエの舞台の群舞のように規律正しくゆずり合って滑っていく。演出家がいるかのように。これだけの傘が集まってこんな光景は、他国では決して見られないわ。」

チュニジアからの留学生「駅で迷っている僕のために、ハラハラしてくれている周りの方の『ガンバレー光線』を感じます。」
札幌で最終の地下鉄に乗り遅れて困っていたシリア人は、「若い男女に一時間もかかる場所まで車で送ってもらった。」
ギリシャ人は「一カ月の入院中、全講義のコピーを毎日届けてくれた」と日本の学友に感謝する。
パキスタン人は、「お金の数え方が分からないので両手にお金を乗せて、そこから取ってもらった。

正直な日本人は必要な分しか取らなかった。私には信じられないことだ」。来日五十回以上というウィーンフィルのチェリスト、スコッチさん。「前回の半年後に来日した際 空港で『前回少し多くお支払いされていましたので』と、百五十円入った封筒を渡された。日本人の誠実さをよく表していると感じました。」

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日本人にとって当然の常識、モラルがいかに貴重で価値のあるものであったかを「外の眼」に教えられました。日本人であることに誇りを感じます。

またもう一つうれしく思ったことは、若い人たちが、ちゃんと日本の美点を受け継いでくれていることでした。「外の眼」は他にも日本人の感性の繊細さ、教育レベルの高さ、治安のよさ、時間厳守の電車バス、店員のサービスのよさ、よりよい物を作り出そうとする向上心…………と賛辞は続きます。

日本を大好きな外国人が「いっぱい」いる。「ホッ」とすると同時に「見られている」恐さも感じました。そして先人の築いた日本の美点を継承する大切さも。

皆様、冬なればこその風情を楽しんでいらっしゃいますか。あったかくして、おすごし下さい。

中谷 幸子
(参考資料:出窓社・加藤恭子編)